【札幌】シェアオフィスとは|レンタルオフィスとの違いと特徴

働き方改革によって多様な働き方が注目を集め、新型コロナウイルスの世界的流行により、オフィスの在り方が見直されている今、札幌をはじめ地方都市でもシェアオフィスというオフィス形態に注目が集まっています。
また、似たような形態にレンタルオフィスがあり、近年では両方の性質を持つオフィスも登場しております。

本記事ではシェアオフィスの解説とレンタルオフィスとの違いや特徴を、特に札幌で働く・拠点を構えることを想定して紹介します。

シェアオフィスとは

シェアオフィスとは、「shared office(シェアードオフィス)」の略称で、企業や個人がオフィスを利用するオフィス空間や設備をシェアするオフィス形態を指します。
コロナ禍によってリモートワークが増加した中で、シェアオフィスはコストを抑えて運用できるため、導入する企業も増加しております。
札幌市内や近郊地域にもシェアオフィスが拡充しつつあり、都心部だけでなく住宅地近くにも展開されているケースが見られます。

シェアオフィスの歴史

シェアオフィスが注目を集めたのは2010年代になってからですが、シェアオフィスの形態が生まれたのは2005年にアメリカのニューヨーク、サンフランシスコの両方で同時に生まれたと言われています。
ただし、シェアオフィスに近い形態を持つ「場」自体は2005年以前にもあり、1990年代にはネットワーキング機能をもった空間は登場していました。

ただし、常設のネットワーキング機能を持つ空間自体が生まれたのは2000年代からで、コワーキングスペースの登場と合わせてシェアオフィスは世界中に設けられることになります。
2020年代に入り、新型コロナウイルスの世界的流行によるオフィスの在り方が見直されることで、さらに注目を集めています。
現代ではレンタルオフィスにシェアオフィスの持つネットワーキング機能を導入する施設も増えており、より身近な存在となっています。
地方都市である札幌などでは、従来の貸事務所の空き活用としてシェア型オフィスが利活用される例も増えています。

シェアオフィスの特徴

シェアオフィスは前述の通り「ワークスペースとして活用できる広いスペースを企業や個人などの異なる業種・職種の人々でシェアできる有料オフィス」となります。
基本的には専有空間は無く、フリーアドレス制を採用しており、自由に仕事をする場所を選べます。
また、オフィスに欠かせない会議室や応接室、個室スペースなどが設置されているシェアオフィスも珍しくありません。

近しいオフィス形態として「コワーキングスペース」がありますが、シェアオフィスと異なり「利用者どうしが交流しながら仕事をする空間」である側面が強い傾向にあります。
開放的でカフェのような空間が特徴で、契約形態も柔軟性が高く、15分から利用できる施設もあります。

近年ではシェアオフィスとコワーキングスペースの境目がなくなってきており、双方の特徴を持つオフィスも多く登場しています。

また、専有の個室スペースを借りてオフィスとして利用できる形態を「レンタルオフィス」と呼びます。
レンタルオフィスもシェアオフィスと同様に一つの広いスペースに複数の人が出入りし、オフィス機器やネットワーク環境などをシェアします。
専有できる個室の執務空間の有無が大きな差といえます。

シェアオフィスを利用するメリット

他の企業や個人事業主とオフィスをシェアする「シェアオフィス」を活用することで多くのメリットを得られます。
ここでは札幌での利用を想定して、シェアオフィスを利用する4つのメリットを解説します。

初期費用を抑えられる

シェアオフィスは通常のオフィスと比較すると初期費用を抑えることができます。
通常賃貸オフィスを契約すると、敷金礼金と合わせて設備費や内装費、ITシステムの導入、セキュリティシステムの導入など多額の初期費用が発生します。

シェアオフィスではオフィス機能は全てシェアできるため、ここで用意する必要はなく、ネットワーク環境や施設のセキュリティ、会議室・応接室等の準備、オフィス機器を即座に利用できます。
必要なスペースだけを利用すれば月々にかかるランニングコストも抑えることができるため、経済的にオフィスの運営が可能な点も特徴です。

札幌においては、中心部の賃貸オフィス家賃が高めな地域(例:大通、札幌駅前)でも、シェアオフィスを使えばコストを抑えつつ利便性を享受できる可能性が高いです。

中には郵便物の受け取りや、来客対応もしてくれるシェアオフィスもあるため、人件費の削減も期待できます。

オフィスの拡大や縮小にも柔軟に対応可能

事業の規模に合わせて発生するオフィスサイズの拡大や縮小に対して、柔軟に対応できるのはシェアオフィスの特徴です。

増員する人数に合わせてオフィススペースの拡大がしやすいため、増員に合わせて適応な空間を提供できます。
また、急な縮小に対してもシェアオフィスであれば即座に対応できるため、効率的にオフィスを活用可能です。

テレワークの導入の際もシェアフィスは効果的で、低コストでオフィス機能を持たせることができるだけでなく、サテライトオフィスとして活用することもスムーズに行えます。
そのため、事業の促進や経営戦略に合わせた柔軟なオフィス環境の構築に大きく貢献できます。

他の入居者との交流がある

シェアオフィスが従来のオフィスと大きく異なる特徴として「他の入居者と交流する空間」が挙げられます。
シェアオフィスでは自社とは異なる企業だけでなく、個人事業主や起業家といった様々な人が集まります。

そして彼らの業種や職種、役職もまた異なるため、新たなシナジーが生まれる場として機能しやすいです。
勉強会や交流会といったイベントを開催しているシェアオフィスもあり、仕事の新しいアイデアや新たなビジネスパートナーとの出会いが生まれることも珍しくありません。

新たなコミュニティーが生まれる環境は多くの刺激を得られるため新たなインスピレーションが湧きやすいため、創業初期の企業や事業規模を広げたい事業家、新たなビジネスを創出しようとしている起業家にとってオススメなオフィス形態です。
また、個人事業主にとっても自身のビジネスを成長させるきっかけが得られる場所として機能することも多いため、近年利用者が増加傾向にあります。

特に札幌で起業を志す方や、地方企業が本州展開を視野に入れている際、札幌のシェアオフィスは地域内外との接点を得る場として期待されます。

住所利用や登記にも活用可能

個人事業主やフリーランスにも必要不可欠なオフィス機能もシェアオフィスであればスムーズに用意することが可能です。
自宅をオフィスとして利用するのも可能ですが、住所を登記したくない場合や、住所を名刺やサイトに掲載したくない方も少なくはありません。
シェアオフィスでは、登記はもちろん、札幌の住所を名刺や事業案内に使えるというメリットがあります。

また、郵便ポストを設けていることも珍しくないため、荷物の受け取りも対応してもらえます。
人的コストの削減だけでなく、時間の有効活用、作業に集中できる環境の構築なども実現しやすいため、個人でもシェアオフィスを活用することで多くのメリットを得られます。

シェアオフィスのデメリット

低コストでオフィスを構えられ、拡張性のあるシェアオフィスですが、デメリットもあります。
ここではシェアオフィスを活用する際に生じるデメリットについて解説します。

セキュリティに関する問題

シェアオフィスでは不特定多数の人が出入りします。
フリーアドレス制のため、利用者は場所に囚われず、好きな場所で仕事が行えます。
そのため、他の方にパソコン等のデバイスの画面が見えたり、会話から情報漏洩が発生する可能性があります。
席を立つ際に盗難が発生する可能性もゼロではありません。
シェアオフィスによっては監視カメラが不十分である場合や、Wi-Fiのセキュリティが弱いこともあるため、利用時は自社の事業で取り扱う内容や作業内容、ネットワーク環境の確認は徹底しましょう。

個室がないシェアオフィスもある

シェアオフィスには基本「企業・個人が専有できるスペース」はなく、あくまで広いオフィススペースをシェアして活用する場です。
施設によっては集中して業務に取り組める個室空間や、パーテーションで区切られた半個室が用意されていることも珍しくありませんが、必ず用意されているわけではありません。
個室や半個室があれば情報漏洩を防ぐことに繋がるため、利用時は個室の有無を確認しましょう。
また、専有の個室が欲しい場合はレンタルオフィスのような形態を検討するのも一つの手です。

業務に集中できない可能性がある

シェアオフィスはコワーキングスペースと同じくコミュニケーションが発生しやすい特徴があります。
そのため、会話が飛び交う環境となるため、集中して業務するには適していない側面もあります。
人の出入りも激しいため、会話だけでなく、人の動きや目線が気になって業務に集中できなければ本末転倒です。
また札幌では、冬季・長時間利用時の暖房や空調ノイズも要チェックです。
シェアオフィスを利用する際は仕事環境に求める要素を自分の中で固めてから選ぶことが大切です。

シェアオフィスのメリットを備えたレンタルオフィス

働き方改革やテレワークの促進によって様々なオフィス形態に注目が集まる中、シェアオフィスとレンタルオフィスを掛け合わせたようなオフィスも登場しています。

シェアオフィスと異なり、専有の個室をレンタルし、専用の執務スペースを利用できるレンタルオフフィスはセキュリティ性の高さや、集中できる業務環境といて注目されています。
その中で、シェアオフィスのように共同で使用できるラウンジやカフェスペースを設け、レンタルオフィスでありながらコワーキング機能を提供する新しいオフィスが登場しています。

札幌におけるレンタルオフィス施設の中には、こうしたハイブリッド型(個室+共用ラウンジ)を標榜するところが増えており、入居者の多様な働き方に応えようとしています。
例えば、札幌を拠点にレンタルオフィスを提供するSKY-OFFICEでは時間と場所を自由に選択できる働き方であるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を実現できるオフィスを提供しています。

SAKURA-N32個室

1人で作業を行う完全個室のソロワーク空間と、共同作業で新たな価値を創出するチームワーク空間を提供しており、多様な働き方を実現できます。
円滑なコミュニケーションを実現するコモンスペースとなるビジネスラウンジにはシェアオフィスのメリットを受けることができるため、新たなコミュニティ形成にも役立ちます。

シェアオフィスを利用する際は、シェアオフィスのメリットを得られるレンタルオフィスも選択の候補に入れて探すのもオススメです。

まとめ

札幌では、働き方の多様化やテレワークの普及を背景に、シェアオフィスやレンタルオフィスといった柔軟なオフィス形態が急速に広がっています。
シェアオフィスは、初期費用を抑えつつ利便性の高い拠点を持てる点や、他業種との交流によって新しいビジネスの可能性を広げられる点が大きな魅力です。
一方で、セキュリティ面や集中環境の確保といった課題もあるため、利用目的に合わせて環境を選ぶことが重要です。

近年では、札幌中心部をはじめ、交通アクセスの良い立地でシェアオフィスが続々と誕生しており、スタートアップやフリーランスが集まる新たなコミュニティの場としても注目されています。
また、シェアオフィスの利便性とレンタルオフィスのプライバシー性を併せ持つ「ハイブリッド型オフィス」も札幌で人気を高めています。
特に、札幌のレンタルオフィス「SKY-OFFICE」は、個室空間と共用ラウンジを組み合わせ、働き方に応じて柔軟に利用できる点が特徴です。
札幌で拠点を構えたい企業や個人事業主にとって、こうしたハイブリッド型オフィスはコストと快適性の両立を実現する有力な選択肢といえるでしょう。

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