変化の早いスタートアップにとって適切なオフィスを探すのは一苦労です。
成長による規模の変化を正確に予測することは難しく、事務所を構えても直ぐに手狭になってしまったり、逆に手持ち無沙汰になってしまうケースは珍しくありません。
そうした課題がある中、注目を集めているのがレンタルオフィスです。
成長に合わせて柔軟に対応できるレンタルオフィスはスタートアップにとって欠かせないものとなりつつあります。
本記事ではスタートアップのオフィス事情とその解決策としてレンタルオフィスの活用について紹介します。
スタートアップ企業のオフィス事情
スタートアップとは、革新的なアイデアをもとに、新たな事業を創出し、短期間で急成長する新しく起業した企業を指します。
スタートアップの特徴として「成長速度の速さ」が挙げられます。
新しいビジネスモデルを構築し、新しい市場を創造するため、スタートアップは変化が早い環境下で成長速度について行くための労働環境が求められます。
そのため、事業に集中して取り組める環境としてオフィスは非常に重要な役割を担いますが、同時にスタートアップにとって適切な機能を持つオフィスを初期フェーズから構え続けることは少ない資本の中では難しい傾向にあります。
ここでは、スタートアップにおけるオフィス事情について解説します。
活動拠点地としてオフィスは不可欠
スタートアップにとって活動拠点となるオフィスは非常に重要です。
自宅を事務所として活動拠点にすることも可能ですが、スタートアップが爆発的に成長するためには「立地」や「信頼性」は欠かせません。
また、自宅の住所が世界中に公開されてしまうリスクもあるので、仕事をする場所としてオフィスはあったほうが良いでしょう。
チームで動く際も、リモートワークが一般的に浸透した昨今においても集まれる場としてオフィスの機能は重要です。
コミュニケーションをしっかりと取ることは事業の成長にも必要な要素なので、そうした意味でもスタートアップにオフィスは必要と言えます。
オフィスを置く場所もスタートアップであればこだわるべきポイントです。
どの場所を拠点にするのかによって営業面の効率化や新たな出会い、アイデアの創出に大きく変化を与えます。
社会的信用性にも関わってくるので、働き方改革や新型コロナウイルスの世界的流行でオフィスの在り方が変化している中でも「オフィスを構える」ことは爆発的成長を促す要素としては、未だ不可欠な存在となっています。
成長速度に合わせたオフィスを探すのが難しい
スタートアップがオフィスを探す中で課題となるのが「成長速度に適したオフィスを探すのが難しい」という問題です。
スタートアップは新たなビジネスアイデアをもとに、世にまだ存在しない新しい事業を創出します。
短い期間で成長を繰り返すスタートアップは組織の規模も早いペースで増加していきます。
そのため、オフィスの広さや設備が成長速度と見合わずに移転が必要になるケースは珍しくありません。
スタートアップの課題の一つに「成長速度に合わせたオフィスを探す難しさ」があります。
オフィスを構えるには賃貸事務所を契約し、内装工事を行い、オフィス家具やOA機器を揃え、必要なオフィス機能を揃える必要があります。
これには多大なコストがかかり、一つのオフィスを構えるのは非常に多くの時間と費用を使います。
そのため、オフィスを一度構えると、簡単に拡大や移転ができないので、スタートアップのような成長速度が速い組織ではオフィスを構えるだけでも一苦労です。
そのため、従来のオフィスとは異なるオフィス形態に注目が集まるようになりました。
オフィスにかけられる予算が少ない
前述にもあるように、オフィスを立ち上げるには多大なコストがかかります。
物件取得にかかる費用だけでも保証金、初回家賃、仲介手数料などの費用がかかり、そこからさらに内装工事費や備品等の経費が発生します。
立地や面積によってかかる費用は変動しますが、100万円近くかかるケースは珍しくありません。
そのため、オフィスを構える際はまとまった資金を用意してく必要がありますが、創業まもないスタートアップは収入が安定していないため、オフィスにかけられる予算は少ない傾向にあります。
そういった状況の中で、組織の成長に合わせてオフィスを拡大し続けると、事業は拡大しても体力は消耗していき、結果として資金不足による倒産のリスクもあり得ます。
そこで注目されているのが低予算でも組織の規模に合わせて柔軟に拡大・移転ができるオフィス形態である「レンタルオフィス」です。
スタートアップにオススメなレンタルオフィス
スタートアップにとってオフィスは重要な要素ですが、同時に成長速度に見合うオフィスを探すのは非常に難しいという一面があります。
そうした中で、レンタルオフィスは非常に相性の良いオフィス形態として注目されています。
レンタルオフィスを活用することで、スタートアップ企業が抱えるオフィス問題を解決することが可能です。
ここではレンタルオフィスがスタートアップにとって相性の良い理由について解説します。
低コストでオフィスを構えられる
レンタルオフィスは「オフィスをレンタルできるサービス」で、複数の利用者に対して提供される専有の執務スペースを契約することで、低コストでオフィスを構えることができるのが特徴です。
一般的な賃貸事務所ではオフィスの内装工事やデスクやチェアといったオフィス家具の用意、インターネット環境の構築などを自身で揃えなければいけませんが、レンタルオフィスでは最初からこれらの設備・機能が提供されています。
また、通常の賃貸事務所とは契約時に発生する費用が少なく、保証金や入会金は発生するケースが多いですが、高額になることはありません。
OA機器のような高額な設備を購入する必要もないため、初期費用を大幅に抑えながらオフィスを構えられます。
一等地にオフィスを構えられる
レンタルオフィスの特徴として「一等地に多くの物件がある」点が挙げられます。
一等地にオフィスを構えるメリットは多く、スタートアップのように急速な成長が求められる組織では提供する商材にとって相性の良い土地や商圏エリアの中心地、交通の利便性が優れた場所にオフィスを構えた方が、チャンスが巡ってくる確率は大幅に上がります。
しかし、一等地にオフィスを構えるには高額なコストが発生してしまうため、簡単に構えることができません。
そうした課題もレンタルオフィスであれば解決できます。
レンタルオフィスは性質上一等地や交通の利便性に優れた場所にあることが多く、一等地でありながら低価格で契約ができます。
そのため、スタートアップであっても一等地にオフィスを構えることは非常に現実的な話になります。
一等地にオフィスを構えることで、営業活動の生産性の向上だけでなく、組織全体のモチベーションアップや社会的信用性の向上など多くのメリットを享受できます。
規模に合わせた柔軟な使い方ができる
レンタルオフィスは最小で1人から利用でき、管理会社によっては同ビルないであれば部屋を変更できるサービスを提供していることもあるため、スタートアップのような「人数の増減が激しい」組織であっても、柔軟に対応できます。
また、賃貸事務所でオフィスを構えている際も、オフィス機能の拡張としても近場のレンタルオフィスを活用する事例もあります。
スタートアップがレンタルオフィスを活用する際は、柔軟な対応が可能かどうか確認しておくのがオススメです。
部屋の拡大ができたり、低コストで移転ができるサービスを提供している管理会社を選ぶことで、スタートアップでも創業初期の段階からオフィスを安心して構えられます。
拠点の拡大もしやすい
レンタルオフィスは低コストでオフィスを構えられるため、最初のオフィスとして非常に重宝されますが、活用方法は本社の設立だけではありません。
商圏拡大のために新しいエリアに進出する際の営業所や、別のプロジェクトや新規事業のための専用オフィスを拡大したい時にもレンタルオフィスは活用できます。
拠点の拡大はスタートアップにとっては欠かせないアクションです。
しかし、その都度賃貸事務所を活用してオフィスを増やすのは難しいスタートアップは少なくないでしょう。
そうした課題もレンタルオフィスであれば瞬時に解決できるため、近年では利用者が増加している傾向にあります。
その中にはもちろん創業まもないスタートアップも含まれています。
レンタルオフィスの選び方
レンタルオフィスを提供している管理会社は数多く、物件によって提供している設備やサービスは異なります。
いくら賃貸事務所よりも低コストでオフィスを構えられるとしても、そう頻繁にオフィスを変更できるわけではありません。
レンタルオフィス選びが失敗して余計に費用が発生してしまうのであれば、自社の条件と一致するオフィスを選んだほうが無駄な出費を抑えながら、費用対効果の高いレンタルオフィスを利用できます。
ここでは、レンタルオフィスの選び方について解説します。
商圏エリアと立地条件がマッチしている
自社で提供する商品・サービスに対して、活動拠点地となるオフィスの場所が離れすぎていないか最初に確認しましょう。
どれだけ仕事に集中できるオフィスであっても商圏から離れていると出勤にかかるストレスや営業活動の非効率化などパフォーマンスの低下に影響を及ぼしてしまいます。
そこで、自社製品の商圏エリアを確認することは欠かせません。
そして、自社商品と相性が良いエリアが抽出できたら今度は契約形態についても合わせて確認しておきましょう。
立地条件が「ただ単に一等地にオフィスを構える」だけだと通勤にかかるコストの増加など様々な問題が生じます。
必ず「エリア」については確認を怠らないようにしましょう。
オフィスに必要な機能が全て揃っているか
レンタルオフィスはオフィス機能をレンタルで利用できるサービスですが、提供しているサービスは管理会社によって異なります。
事業にとって必要な機能が揃っているかの確認は必ず行いましょう。
特にチェックしておくべきポイントは以下の4点です。
1. 利用できる専有スペースが「完全個室」か「半個室」かの確認
レンタルオフィスが提供している専有の個室スペースは大きく分けて「完全個室」と「半個室」の2つに分類されます。
セキュリティが高く、周りの音を気にせずに業務に集中できるのは「完全個室」のレンタルオフィスがオススメです。
管理会社や物件によってタイプが異なるので、事前に確認しておくと入居後のトラブル防止に繋がります。
2. 会議室が利用できる
多くのレンタルオフィスには専有の個室に加えて必要な時に利用できる「会議室」が提供されています。
会議室を必要な時だけ利用できるため、コストを大幅に抑えられるのが魅力です。
レンタルオフィスを選ぶ際は「会議室の有無」「会議室の利用条件」「会議室の機能・設備」について確認しておきましょう。
3. 共同で使えるラウンジがある
共同で使えるラウンジやコワーキングスペースが併設されているレンタルオフィスも昨今増加傾向にあります。
ラウンジは来客対応としても活用できるので、会議室と併せて活用するのがオススメです。
また、他の利用者と交流をする場としても機能するため、新たなビジネスの創出のきっかけとしても活用できます。
共同ラウンジやコワーキングスペースの機能があると業務が捗る一面があるので、利用したい物件の内覧時は一緒に確認しておくと良いでしょう。
4. 24時間365日利用できる
レンタルオフィスの利用時間は管理会社によって異なります。
例えば「年末年始は利用できない」「休日及び祝日は利用時間が限られている」「お盆や大型連休時は利用時間に制限がある」「利用できる時間が定められている（例 7:00-23:00まで）」と、制限がある場合、事業によってはデメリットになる可能性があります。
24時間365日利用できるレンタルオフィスであれば、時間を気にせずに活用できるため、多様な働き方を実現できるようになります。