新型コロナウイルスの世界的流行を皮切りに従来のオフィスの在り方が見直されるようになり、働く環境が大きく変化しています。
働き方改革の影響で「フレックス制度」や「テレワーク」が導入される中、オフィス形態も様々な形で登場しました。
従来のオフィスとは異なり、柔軟性があり、多様な働き方が実現できる、新時代に適した新たなオフィスソリューションとして「フレキシブルオフィス」が注目を集めています。
本記事では新しいオフィスソリューションであるフレキシブルオフィスについて紹介します。
フレキシブルオフィスとは
フレキシブルオフィスとは「flexible(柔軟な)」と「office」を組み合わせた言葉で一般的な賃貸事務所とは異なった用途・利用規約・契約形態を持つオフィスの総称です。
例えばオフィス機能をレンタルできる「レンタルオフィス」はフレキシブルオフィスの一種としてカウントされます。
従来のオフィスよりも安価で契約できる他、用途も多様で柔軟性があるため、企業の規模や業種を選ばずに利用できる点が魅力です。
フレキシブルオフィスの需要は年々上がっており、新型コロナウイルスの世界的流行以前から建物自体は増加傾向にありましたが、2020年以降は利用者も増加傾向にあり、従来のオフィスから移転する企業も増えたほどです。
また、テレワークを促進するためのサテライトオフィスとしての活用や、開業まもない企業の事務所、スタートアップの一時的なオフィスなど多種多様な使い方が可能な点もフレキシブルオフィスのメリットです。
フレキシブルオフィスの市場規模
ザイマックス総研が発表した「フレキシブルオフィス市場調査2023」によると東京23区におけるフレキシブルオフィスは1,260拠点あり、年々増加傾向にあります。
2010年時点の拠点数が23区内には41件しかなかったことから、わずか10年近くで30倍になります。
今後さらにフレキシブルオフィスの数は増えていくと予想されており、アフターコロナへの対応が求められる昨今において、オフィス分散化やテレワークの定着など様々な場面で活用されるでしょう。
フレキシブルオフィスが重要視される理由
近年、オフィスの在り方が変化しており、個人事業主、スタートアップ、中小企業、大企業とそれぞれ事業の規模や抱えている課題、オフィスの役割が異なる中でも在り方の変化は大きな潮流として注目を集めています。
従来のオフィスでは「すべての社員が集まる場所」であり、「仕事をするための場所」でした。
その後、テレワークが一気に普及したことで「オフィス不要論」が現れましたが、実際にテレワークをする中で『業務でのコミュニケーションが難しい』『ビジョンやミッションの浸透が難しい』といった事業を成長させる中で必要不可欠な要素に課題が生じたため、改めてオフィスの在り方に注目が集まりました。
また、働き方の多様化や副業解禁、パラレルキャリアの形成など個人の仕事観にも変化が現れ始め、低コストでオフィスの代わりになる空間へのニーズが高まったことも重なり、急速にフレキシブルオフィスの重要性が上がりました。
チームワークの創出や部門の垣根を超えた組織全体のコミュニケーションの活性化もオフィスの役割として注目を集めたこともあり、フレキシブルオフィスのような柔軟で自由な働き方を選択できるオフィス環境の構築がトレンドとして上がっています。
フレキシブルオフィスの種類
従業員に自由で柔軟な働き方をさせるためには、開放的でオープンな空間や、出社の選択ができる労働環境、時間や場所にとらわれない働き方の実現が欠かせません。
また、全員が平等に仕事しやすい環境で就業できるようになるためには、オフィスの分散化が欠かせません。
ここでは、自由な働き方を実現するフレキシブルオフィスの種類について解説します。
レンタルオフィス
レンタルオフィスはその名の通り「オフィス機能(デスク・チェア・執務室・会議室・通信環境・OA機器など)をレンタルするオフィス」で、従来のオフィスと異なり、オフィス機能そのものを借りることができます。
そのため、オフィス設立にかかるイニシャルコストを大幅に削減でき、低コストで立ち上げることが可能です。
また、賃貸事務所と異なり、内装工事等ができない代わりに、最初から設備の整った環境を契約して即日で利用できる点はスピード感が重視される個人事業主やスタートアップにとって大きなメリットとして挙げられます。
加えて、低コストでオフィスを構えられる点は中小企業にとっては営業拠点の拡大や新規事業の専用オフィスの設立、テレワーク専用のオフィスといった形で活用が進んでいます。
規模感の大きい大企業でもレンタルオフィスへのニーズは高く、サテライトオフィスとして活用したり、新たな事業立ち上げのための拠点などで需要が上がっています。
特にテレワークが浸透した昨今においては、個室空間が利用できるレンタルオフィスはセキュリティの観点からも注目されており、テレワーク専用のオフィスとしても利用する方は増加しています。
シェアオフィス
シェアオフィスは「複数の事業者で1つの場所を共有するオフィス」として提供しているサービスです。
シェアオフィスは内装がオープンでひらけた空間である施設が多く、コワーキングスペースに近いサービスを提供している場合も多くあります。
コワーキングスペースとの違いとして「個室」が挙げられますが、必ずしも個室があるわけではないのも特徴です。
また、完全に密閉されていない半個室のケースもあるため、セキュリティ面が万全じゃない物件もあります。
近年ではシェアオフィスとレンタルオフィス、コワーキングスペースの境界線は曖昧になってきているため、レンタルオフィスの機能を持ちながらシェアオフィスを名称として使う施設も数多くあります。
サービスオフィス
サービスオフィスはレンタルオフィスに事業の成長をサポートしてくれるサービスが豊富なオフィス形態を指します。
サービスオフィスの代表的なサービスとして「秘書代行」「ラウンジ利用」「受付対応」などが挙げられます。
また、近年では一部のサービスがレンタルオフィスでも提供されるようになったため、サービスオフィスもまた、他のオフィス形態との境界線が曖昧になってきている傾向にあります。
会議室やラウンジの利用が可能なため、サテライトオフィスとして利用するのがオススメです。
豊富なサービスのため、他のオフィス形態よりも価格帯が高いのもサービスオフィスの特徴です。
コワーキングスペース
コワーキングスペースは「Co」(共同)+「Working」(働く)でコワーキング(共同で働く)するという意味を持っており、異なるバックヤードを持つ企業が同じ空間で仕事ができるように設計されたオフィスです。
コワーキングスペースには個室がなく、オープンな空間を各々が自由な場所で仕事をするため、コミュニケーションの創出に重きが置かれています。
フリーランスやひとり企業にとって相性が良いオフィス形態です。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは法人登記に必要な住所を貸し出すオフィス形態です。
バーチャルオフィスの名の通り、住所のみの利用のため、執務空間はありません。
また、中には会議室や応接室のみを提供している施設もあります。
どちらかといえばこれから独立を検討している方や、起業家の方向けのサービスのため、オフィス利用をしたい方には向いていないサービスとなります。
フレキシブルオフィスの特徴・メリット
様々な形態があるフレキシブルオフィスですが、どのオフィスも従来のオフィスにはないメリットが多くあります。
ここでは各オフィス形態に共通して挙げられるフレキシブルオフィスとしてのメリットを紹介します。
低コストでオフィス機能を揃えられる
フレキシブルオフィス最大の魅力として「通常のオフィスと比べて賃料・初期費用が安い」点が挙げられます。
敷金といった契約で発生する費用が発生しないため、気軽に契約できるのもポイントです。
また、オフィスで利用するデスクやチェア、複合機、Wi-Fiなど通信インフラも活用できるため、オフィスを立ち上げる際に必要な費用は半額以上抑えることも可能です。
工事が必要でないため、契約してからすぐ使えるのもフレキシブルオフィスの特徴です。
スピード感が重視されるスタートアップやベンチャー企業にとって契約から利用開始までのスパンが短いのは大きな魅力です。
低コストで複数のオフィスを構えやすい
イニシャルコストとランニングコストが安いため、オフィスを複数構えるのもフレキシブルオフィスならすぐに可能です。
フレキシブルオフィスは全国各地にあるため、営業エリアの拡大や、オフィス機能の分散化、新規事業専用のオフィスなど多様な働き方が実現できます。
また、同じ管理会社が運営している物件であれば、契約形態も柔軟に対応してくれるケースもあるので、利用する際は商圏や活動エリアを視野に入れた形で物件を選ぶのがオススメです。
立地がよく、移転もしやすい
通常のオフィスは内装の工事が発生するため、気軽に移転するのが難しい課題が挙げられます。
フレキシブルオフィスは通常のオフィスと異なり、内装が最初から完成されているため移転しやすいのが特徴です。
変化の激しいスタートアップにとって、オフィスは手狭になってしまうケースは珍しくありません。
数年単位での契約が必要無いものフレキシブルオフィスの特徴の一つとして挙げられ、変化の激しいスタートアップでも気軽に移転や拡大が行えます。
また、立地条件が良い物件も多いので、社会的信用性を得やすいため、スタートアップやフリーランスの活動拠点として一等地の住所を使えるのも魅力です。
コアオフィスとフレキシブルオフィスを組み合わせる使い方
フレキシブルオフィスは既にコアオフィスとなる本社を構えている企業にとっても効果的に活用できます。
ここでは具体的な活用方法について紹介します。
オフィス機能の分散化
分散型オフィスとは「コアオフィス・フレキシブルオフィス・在宅勤務」を組み合わせているオフィス形態です。
オフィス機能の分散化は新型コロナウイルスの世界的流行以前から震災等で発生するオフィスそのものの停止によるリスクヘッジの重要性が説かれており、多くの企業が取り組んでいます。
フレキシブルオフィスは低コストでオフィスを構えられることから、分散型オフィスの立ち上げと相性が良いです。
オフィスやワークスペースを複数の場所に分散させることで「社員の多様な働き方」「緊急時の事業継続」「コアオフィス縮小によるコスト削減」「地方や郊外の優秀な人材採用」など多くのメリットを得られるためオススメの活用方法です。
オフィスのストレージ不足の改善
オフィスのストレージには限度があるため、大量に人材を採用したり、レイアウトを変更したりすると、オフィスが手狭になってしまうことは珍しくありません。
ストレージ不足に対してオフィス拡大を検討し、移転をする場合、大きなコストが発生してしまいます。
そこで、フレキシブルオフィスを活用することでコアオフィスを拡大せずに、利用できるストレージを増やし、結果的にオフィス機能の拡大が実現します。
また、コアオフィスの機能を分散させることで、オフィスにフリーアドレス制のスペースを作ることができるので、コミュニケーションの場としてオフィスを運営できるようになるのも大きな魅力です。
札幌市でフレキシブルオフィスを探すならSKY-OFFICEがオススメ
札幌市でフレキシブルオフィスを探すのであれば、札幌市を拠点にレンタルオフィスを展開しているSKY-OFFICEがオススメです。
SKY-OFFICEが提供しているレンタルオフィスは様々な形態があるフレキシブルオフィスのメリットを一つの物件で受けられるのが特徴で、専有の個室はもちろんのこと、共同で使えるラウンジやコワーキングスペース、事業の成長をサポートする豊富なサービスを受けられます。
また、札幌市に特化しているため、札幌市のビジネス事情にも精通しており、これから札幌に進出したい方に対しても親身になって相談に乗ってくれます。
●まとめ
フレキシブルオフィスのニーズは年々増加傾向にあり、全国各地に今後も増えていくと予想できます。
働き方改革やコロナ禍によってオフィスの在り方は大きく変わり、新しい生活様式(ニューノーマル)は今後も生活の中に根付くのであれば、フレキシブルオフィスが実現する柔軟な働き方へのニーズはより増えるでしょう。
札幌市でフレキシブルオフィスを探しているのであれば、豊富なサービスと実績を持つSKY-OFFICEにご相談ください。