【札幌】コワーキングスペースとは?利用するメリットと他のオフィス形態との違い

時間や場所に縛られず、ライフワークバランスの向上を目指す働き方改革の促進や、新型コロナウイルスの世界的流行による急速なテレワークの導入によって、働き方の多様化を実現する「コワーキングスペース」の活用に注目が集まっています。
札幌市では、特にIT・スタートアップ・クリエイティブ系の事業者を中心に、コワーキングスペースの需要が年々高まっています。
また、レンタルオフィスのサービスとしてコワーキングスペースを併設する施設も増えており、利用する機会も増えている傾向にあります。

本記事ではコワーキングスペースの概要と、札幌におけるメリット、他のオフィス形態との違いについて解説します。

コワーキングスペースとは?

コワーキングスペース(Coworking Space)は共同を意味する「Co」を冠に付けた造語で、「共同で仕事・作業をする場所」を指します。
コワーキングスペースの特徴として場所が指定されないフリーアドレスであることと、時間や場所に縛られずに利用者の好きな形で仕事ができる点が挙げられます。
専有の個室内で業務を行う従来のオフィスと異なり、コワーキングスペースでは自社とは異なる業種、業態、職種を持つ利用者と同じ空間で仕事をすることになるため、コミュニケーションの場となるように設計されています。

コワーキングスペースの歴史は古く、1995年にドイツのベルリンで原型となるスペースが生まれ、1999年、米ゲームデザイナーのBernard DeKovenによって概念が形成されました。
本格的にコワーキングスペースが世に生まれたのは2005年から2006年にかけてアメリカを中心に発展し、起業家を中心に利用者が増えていきます。
日本には2010年に神戸で登場し、そこから全国に広がっていきました。

札幌では2010年代後半から急速に普及が進み、2024年時点で中央区や大通・札幌駅周辺など利便性の高いエリアを中心に多くのコワーキングスペースが存在しています。
札幌市内だけでも30件以上の施設が確認されており(出典:札幌市産業振興センター調査2024)、地方都市の中でも先進的なエリアといえます。

利用者は起業家やフリーランス、テック系のビジネスマン、デザイナー、ライターなどオフィスに依存せずとも業務を遂行できる業種である傾向にあり、新たな発想や人脈の形成などビジネスの成長に欠かせない要素を多く得られる点もコワーキングスペースが利用され続けている背景となります。

現在は全国にコワーキングスペースが拡大しており、レンタルオフィス内にコワーキング機能を持たせる施設や、カフェと併設して運営している店舗も少なくはありません。
札幌でもカフェ併設型や、夜間利用が可能なタイプなど多様なスタイルが登場しており、利用目的に応じて選択肢が広がっています。

コワーキングスペースのメリット

コワーキングスペースを活用することで多くのメリットを受けることができます。
起業家やフリーランス、テレワークの導入を検討している企業など利用したい背景が異なる場合でも、それぞれにとってメリットがあるため、状況に合わせて適切な設備やサービスがある施設を選ぶことが重要です。

ここでは札幌でコワーキングスペースによって得られる7つのメリットについて解説します。

低コストで利用できる

コワーキングスペースではワークスペースに必要な「仕事場」「複合機等のオフィス機器」「インターネット環境」を共有するため低コストで利用することができます。
光熱費や賃貸料、設備費などを抑えることで、資本の少ないフリーランスや創業初期の企業でも仕事場を用意できます。
また、施設によっては月額利用だけでなく、必要なタイミングでのみコワーキングスペースを利用する「ドロップイン」を採用している施設もあります。
場所や時間に縛られない多様性のある働き方が実現できます。
札幌市内のコワーキングスペースでは、1時間数百円から利用できる施設もあり、出張や短時間利用にも便利です。
場所や時間に縛られない多様性のある働き方が実現できます。

立地が良い場所にある

コワーキングスペースは都心のみならず郊外や地方にもあり、様々な場所で展開されています。
基本的に利用者にとってアクセスしやすい場所にある傾向にあります。
都心であれば一等地に構えている施設も多く、事業の成長を促す環境要素として効果的です。
一等地にオフィスを構えると初期費用だけでもコストが嵩むため、中々手を出すことが難しい中、コワーキングスペースを活用すれば都心部を拠点にすることが可能です。
また、郊外にも施設は多くあるためテレワークを検討する企業にとって、働き方改革を促進するにあたって役立ちます。
札幌では札幌駅や大通周辺、円山、白石などの交通アクセスの良いエリアに多く立地しており、通勤や顧客対応にも便利です。
冬季の積雪時にも移動がしやすい点も札幌ならではの利点といえます。

仕事に集中できる環境

一般的にコワーキングスペースは仕事をするのに適した環境として設計されています。
フリーアドレス制のため自由に席を選べるため、自身にとって働きやすい環境で作業ができます。
また、通信環境も整っていることが多いため、自宅よりも高速回線でのインターネットを利用できる可能性も高いです。
自宅ではプライベートな空間で集中できないという悩みも解決できるため、フリーランスの方にもオススメです。
また、施設によってはレンタルオフィスとの併設しているところも珍しくないため、コワーキングスペースを活用しながら、将来的に専有スペースを契約することを想定しながら利用もできます。
札幌市内では防音性に優れた個室型コワーキングや、静音エリアを設けた施設も増えており、集中できる環境が整っているといえます。

人脈が広がる可能性がある

コワーキングスペース最大のメリットとして「コミュニケーションが生まれやすい環境」が挙げられます。
利用者はフリーランスから起業家、会社員など幅広い層が利用しており、それぞれ仕事内容が異なります。
コミュニケーションを積極的に取ることで人脈が広がり、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性がある点もコワーキングスペースの特徴です。
新しい情報のキャッチアップやスキルアップに繋がる交流、新たなビジネスの創出などが起こりやすいように設計されているため、起業家にとってチャンスを掴める場所としても注目されています。
札幌のコワーキングスペースでは、地域企業やクリエイターが集まる勉強会・イベントが頻繁に開催されており、新しいネットワークを築ける場としても人気です。

会議や面談のような対人対応が可能

ビジネスをするにあたって対面での会議や面談が発生します。自宅をビジネス拠点としている場合、対人対応をすることが難しい場合が多く、カフェなどを利用する方も少なくはありません。
しかし、カフェやレストランでは人数分の席を確保することができない、騒音が気になるといった課題があります。
情報漏洩の危険性もあるため、安心して会話をすることができません。
コワーキングスペースではフリースペースや会議室を利用することで対面での打ち合わせができるようになります。
会議を頻繁に行うのであれば、会議室として契約する企業も近年増加傾向にあります。
札幌では来客対応や採用面談のために、会議室利用を目的にコワーキングスペースを活用する企業も増えています。

用途によって利用方法を選べる

コワーキングスペースは「働く場所」だけではありません。前述した「打ち合わせの場所」として活用をしたり、交流会のようなイベント会場として利用する事例もあります。
コワーキングスペースによってはカフェスペースやキッチンが設備としてある場所も少なくないため、懇談会やパーティ会場としても活用できます。
例えば自社の新商品をテストマーケティングする場所としてコワーキングスペースを使用するといった方法も一つの使い方です。
札幌市内の一部コワーキングスペースでは、地域企業との協働イベントや地域課題解決型プロジェクトの会場として利用されるケースも増えており、単なる「働く場所」から「地域とつながる拠点」へと変化しています。
また、仕事内容や業務形態、副業など自身のワークスタイルに合わせた利用もできる点も魅力です。
ドロップインを活用すれば、使用したい時だけスペースを使うことができるため、コストを抑えつつもワークスペースを最大限に利用できます。

個室を利用できる施設もある

コワーキングスペースの中には個室空間やパーテーションに囲まれた半個室を設備として導入しているケースもあります。
札幌では、個室とオープンスペースを組み合わせた「ハイブリッド型コワーキングスペース」も登場しており、機密性と自由度の両立を図る動きが進んでいます。
個室を利用すればセキュリティ面を心配することなく安心して仕事ができますし、電話やWeb会議なども周りの目を気にせずに行えます。
全ての施設に設立されているわけではありませんが、もし利用可能であれば、活用してみるのをオススメします。

コワーキングスペースのデメリット

コワーキングスペースは低コストでワークスペースが手に入るだけでなく、コミュニケーションの場としても作用します。
しかし、専有の個室を持てるレンタルオフィスと異なり、プライバシー制が確保されていないためデメリットもいくつかあります。
ここではコワーキングスペースのデメリットについて解説します。

周囲の環境が気になることも

コワーキングスペースはコミュニケーションを取りやすいように設計されているため、開放的でフリーな空間となっています。
また、多くの人が出入りするため流動性がある点も特徴です。
そのため、周囲の環境が気になる人は作業に集中できないかもしれません。
会話なども頻繁に行われているため、声が気になる人にとってもデメリットとして挙げられます。

情報漏洩のリスク

周囲に人が出歩いている環境のため聞かれてはいけない会話や秘匿性の高い情報などが漏洩するリスクがあります。
そのためセキュリティ対策を個別で必ず行う必要があるため手間がかかります。
例えばスリープモードの徹底やファイルの暗号化、スマートタグを付けるなど対策を行うことで安心して利用できます。
しかし、完全個室のスペースをレンタルできるわけではないので、扱う情報によってはコワーキングスペース向きではない業種もあるため注意が必要です。

ワークスペースの確保

コワーキングスペースは原則フリーアドレス制のためワークスペースを確保する必要があります。
人気のコワーキングスペースの場合ワークスペースを確保できない可能性があるため、作業をしたい時に作業ができないという問題に直面することも珍しくありません。
そのため、活用するコワーキングスペースによってワークスペース確保のリスクがある点は覚えておいて損はないでしょう。
札幌のように利用者が多い都市では、特に人気の高いエリア(札幌駅前・大通など)で混雑が発生するケースもあるため、事前予約や固定席契約の検討が推奨されます。

コワーキングスペースとレンタルオフィスの両方を利用するメリット

コワーキングスペースは「コミュニケーション」に軸を置いた施設です。
そのため仕事に特化したい場合は向いていない可能性があります。
レンタルオフィスであれば専有の個室スペースを借りられるため、仕事に集中することが可能です。
ただし、レンタルオフィスではコミュニケーションが発生しないため新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が低くなってしまいます。
そのためコワーキングスペースとレンタルオフィスを両方とも活用することで双方のメリットを得ることが可能です。
札幌では、レンタルオフィスとコワーキングスペースを併設する施設が増加しており、用途や人数に応じて柔軟に利用を切り替えるスタイルが主流になりつつあります。

例えば札幌市を拠点にレンタルオフィスを展開するSKY-OFFICE(スカイオフィス)では、レンタルオフィスに加えてコワーキングスペースをサービスとして提供しているため、双方のメリットを受けることができます。
札幌中心部のアクセスしやすい立地にあり、法人登記・郵便物受け取り・会議室利用などのビジネス機能も充実している点が特徴です。
スタートアップや個人事業主が札幌で新たに拠点を構える際にも適しています。

まとめ

働き方の自由度が求められる今、札幌でも「自分らしい働き方」を実現できる場所として、コワーキングスペースやレンタルオフィスが注目を集めています。
コワーキングスペースでは人との出会いや交流を通じて新しいアイデアが生まれ、レンタルオフィスでは集中して業務に取り組む環境が手に入ります。
この2つを上手に使い分けることで、仕事の効率を高めながら、柔軟でストレスの少ないワークスタイルを築くことができるでしょう。

札幌中心部に展開するSKY-OFFICE(スカイオフィス)のように、コワーキングとレンタルオフィスの両方を備えた施設なら、その日の業務内容や気分に合わせて最適な環境を選べます。
「集中」と「交流」をバランスよく取り入れることで、働く楽しさや可能性がさらに広がっていくはずです。
新しい働き方を模索している方は、札幌で自分に合ったオフィススタイルを一度体験してみてはいかがでしょうか。

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