税務に関する唯一の専門家である税理士。個人法人問わずに税務に関する様々な業務を遂行するプロフェッショナルである。税理士は独占業務として、「税務の代理」「税務書類の作成」および「税務相談」があり、顧客や顧問先の依頼に応じて、税務書類を作成し、税務上の指導や助言を行う。最近では、企業の財政状況を把握している税理士に経営面での支援もお願いしたいというニーズも高まってきている。
今回は、公認会計士から税理士に転身し、開業。高まってきているニーズに対応し、事業を拡大している「札幌のやさしい税理士事務所」の利木氏にインタビューを行った。

札幌のやさしい税理士事務所(利木貴志税理士事務所)
代表 利木貴志様にインタビュー

目次

  1. 創業時の融資、会社設立サポート、起業支援、税務相談、記帳決算書作成、申告書作成を軸とした税理士事務
  2. 記帳代行も行いますが、お客さんの将来を考え、なるべくご自分自身でできるようになってもらうのが目標
  3. 公認会計士からの転身と「ヒト・モノ・カネ」無しからのスタート。創業時のSKY-OFFICEのサポート
  4. マーケティングとの出会いと、オフィスを利用してのブランディング
  5. お客様の財務状況が分かっているからこそのアドバイス
  6. 本当に必要なものは何なのかを税理士事務所なりの視点で見極めマーケティングを行う
  7. 仕事は楽しいからやっているという感覚。仕事もお客様もSKY-OFFICEも自分の人生・ストーリーの一部である
  8. お客さんと関わる中でお客さんの変化を感じると、自分もそれに恥ずかしくない価値を提供したい

創業時の融資、会社設立サポート、起業支援、税務相談、記帳決算書作成、申告書作成を軸とした税理士事務所

札幌のやさしい税理士事務所さんについて教えてください。

弊所はスモールビジネス専門の税理士事務所で創業8年目。創業時の融資、会社設立サポート、起業支援、税務相談、記帳決算書作成、申告書作成を軸としています。強みとしては、①創業時の資金調達に強いこと ②集客支援に強いこと ③節税に強いこと ④クラウド会計に強いこと ➄フットワークが軽いことの5つです。
創業時には、経営資源である「ヒト・モノ・カネ」をどう集めるかがポイントで、特におカネについては、資金を調達し、事業を行っていく中でキャッシュをどのように作っていくかに課題を感じる社長も多いです。キャッシュを作るには、融資を受けることが重要ですし、集客をし、継続的にお客さんに商品を買ってもらうことも重要です。弊所では融資も集客も比較的得意なほうの会計事務所であるため、スモールビジネスならではの悩みが解決できるようなアドバイスができるかと思います。

利木さん

お客さんの将来を考え、なるべく自分自身でできるようになってもらうことが目標

税理士さんは税務の専門家なので、記帳決算書の作成の代行がメイン業務のイメージを持っていました。

利木さん

はい。もちろんそのようなご相談で来られる方がほとんどですし、他の税理士事務所同様、記帳代行もメインでやっています。ただ、弊所では領収書等のいわゆる丸投げは受けておらず、基本的には領収書等の書類の整理はしっかり社長にやってもらって、それから提出してもらっています。創業期で、特に社長一人のスモールビジネスの場合は、営業や実務にどうしても時間を取られることが多いですから、経理は後回しもしくは税理士事務所に丸投げされる方が多いと思います。

しかし丸投げをしてしまうと、自社の財務数値の根拠について社長自身が曖昧な状態のため、キャッシュを残すためにどうすれば良いか?利益を上げるためにどうすればよいか?などの話をしても伝わらず、それだけでなく互いの関係性に支障が出てくることもあります。
税理士に丸投げすることは簡単ですが、売上を上げるのと同様、キャッシュが出ていかないための知識も大事ですから、アドバイスを生かしてもらうためにも、また長くお付き合いしていくためにも、まずは社長に手と足を動かしてもらって、自社の状況をよく理解してもらうようにしてもらっています。最初は皆さん慣れない作業で大変そうですが、地道に頑張ってくれるおかげで、今では資料整理は仕事の一部として習慣化してくれているようです(多分(笑))

利木さん

公認会計士からの転身と「ヒト・モノ・カネ」無しからのスタート。創業時のSKY-OFFICEのサポート

創業時のお話をお聞かせください。もともと会計士としてご勤務されてから、税理士として独立されたとお聞きしました。

10年間公認会計士として大企業の決算の監査の仕事を行ってきました。監査法人を退職後、SKY-OFFICEに入居し開業しました。「ヒト・モノ・カネ」無しの状態で開業をしたので、最初の1年は大変でした。人脈も既存のお客さんもいない状態からのスタートだったので、まずは世の中の社長に事務所を知っていただくところからのスタートです。集客に絶対に必要だと思っていたのがホームページです。実はSKY-OFFICEを知ったのは、賃貸オフィスを調べて知ったのではなく、「ホームページの無料作成サービス」をやっているところがあるという事で偶然知りました。その後、オフィスの内覧をさせていただき入居。

利木さん

ホームページも素晴らしいものを素早く作って頂き、このホームページのおかけで少しづつ問い合わせが来るようになりました。またSKY-OFFICEさんはいつも自分のことを気にかけてくれていて、マッチングという形で紹介もしてくれたりしました。お客様が0だった時もありますし、1カ月の売上が10万円なかった月もあります。開業1年目は不安な時期でしたが、SKY-OFFICEさんのサポートがあった事が乗り越えれた一つのポイントになったと思っています。

マーケティングとの出会いと、オフィスを利用してのブランディング

集客に苦労されてたんですね。しかし今は集客のサポートもやられていますね。何かターニングポイントはあったんでしょうか?

利木さん

あるお客さんとの出会いがターニングポイントになりました。そのお客さんは学生時代からマーケティングに関する教材を見てきており、沢山のコンテンツの中からお薦めのものを紹介してくれました。その内容が、今まで自分が見てきたものと比べものにならないくらいスッと自分の中に落ちたんです。それがきっかけで本格的に「マーケティング」に夢中になり、気づけば、集客に不安が無くなっていました。

自分も事業主なので、まず自分で実践してみたのですが、これが後々、お客さんに提供できる価値の一つとして弊所の強みの一つにもなっていったと思います。また着実に顧問契約の数を増やせたのは、創業当初から「第三者からどう見られているか」を意識をしていたことも関わっていると思っています。SKY-OFFICEさんは綺麗だし、雰囲気も良い。そしてオシャレ。ラウンジも広いし、初めてきたお客さんには誉められる事も多く、事務所の信用にも繋がっていると感じていますし、自分のブランディングにも一役かってくれていると思います。入居を決める時に、予算より高い賃料を言われていてもSKY-OFFICEさんを選んでいたと思います。

お客さんの財務状況が分かっているからこそのアドバイス

着実にマーケティングを行いながら、事業展開をされてきたんですね。スタッフの方の数も増えていると聞いています。

皆さんそう思ってくれていると嬉しいのですが…(笑)。ただ、僕は自分のことを最初にお客さんに紹介するときは「税務もできるマーケティングコンサルタントです」と言うことにしています。税務とマーケティングのどちらが重要か?と聞かれれば、取引がなければ税務も何もないでしょうから、マーケティングのほうが重要というのが僕のスタンスです。事業をやっていく以上、マーケティングの知識は自分の集客だけでなく、お客さんの事業の成長にも必要です。お客さんの帳簿や資金繰りなど財務状況の現状を把握しているからこそ、またお客さんとお付き合いしていくなかで少しずつ好みを知っていくからこその、オーダーメイドなベストなアドバイスができると思っています。

利木さん

特に会社設立サポートや創業時の融資サポートでの面談では、税務に関する事以外にもマーケティングについてお話させてもらう事も多いです。なので、面談時間も自然と長くなってしまいますね・・・(笑)お客さんとミーティングをする時もこのラウンジを利用する事が多く、個室もあるので財務についての相談やアドバイスもここでさせてもらっています。コワーキングやシェアオフィスが併設されていないので、静かですし、落ち着いて話ができますね。

本当に必要なものは何なのか?を職業的専門家なりの視点で見極めマーケティングを行う

着実にマーケティングを行いながら、事業展開をされてきたんですね。スタッフの方の数も増えていると聞いています。

利木さん

そうですね。開業当初は税理士として売上が本当に上がるかもわからなかったので、今ある資金は大事にしようと、常に「それは必要か?」と考えながら行動していました。例えば交通費。もちろん往復の地下鉄代ぐらいのキャッシュはありました。でもマラソンが趣味であるというのもあったのですが、毎日30分以上かけて走って通勤していましたね。おカネも使わない趣味も楽しめると一石二鳥なわけです。まあ最初は暇でしたからね(笑)たった数百円ですが、一事が万事なわけで、おカネについての考えが甘いと感じる方は多いです。投資という名のもと、すぐにおカネを使おうとするのではなく、今一度「それは本当に必要なのか?」と考えてから使ってほしいと思います。

ちなみに、自分にとって開業時必要だったのはホームページとオフィスだけで、それ以外は絶対に必要なものではなかったです。もちろんその必要なものは時間とともに変わってきます。着実にお客さんの数も増えていて、スタッフも数年前に増やしました。SKY-OFFICEに入った当初は、一番賃料が安く、窓もない狭い部屋から、一人でスタートしたのですが、今ではS9内で引っ越しをして、広い部屋に移動もしています。この夏にはさらに上層階の広い部屋に移る予定です。開業してからのほとんどの時間をこのSKY-OFFICEで過ごしているので、自分の歴史というものは全部このビルの中にあります。

仕事は楽しいからやっているという感覚。仕事もお客さんもSKY-OFFICEも自分の人生・ストーリーの一部です

利木さんにとって仕事とは何でしょうか?

ヒトはそれぞれ自分の人生を生きていて、僕も自分の人生を生きています。僕にとってお客さんは、ただのお客様ではなく自分の人生・ストーリーを一緒に面白く充実したものにしてくれる方々。僕は仕事を仕事として捉えていなく「楽しいからやっている」という感覚。このお客さんと仕事をすると楽しくなりそう…という直感で仕事を請けることもありますし、自分が一緒に仕事をしたいと思える方と仕事をするようにしています。感性を大事にしています。お客さんだけでなく、SKY-OFFICEさんも同じです。入居当時の部屋から大きな部屋に引っ越す時に、札幌駅や大通駅のビルに引っ越そうかと思った時もありました。そのほうが、お客さんを増やすにしても、新しいスタッフを募集するにしても有利かなと思ったからです。

利木さん

しかし、私は開業からずっとこのオフィスで仕事をしてきました。お客さんがゼロだった時代から始まり、今はスタッフも増え良いお客さんに恵まれ楽しく仕事をさせてもらっています。色々な方が入居して、退去していくところも見てきて、これも私にとっては一つのストーリーで自分の歴史です。それを断ち切ってまで中心街に事務所を構えようと最終的には思えませんでした。SKY-OFFICEのオフィスが好きなんですね。

お客さんと関わる中でお客さんの変化を感じると、自分もそれに恥ずかしくない価値を提供したい

最後に、仕事のやりがいを教えてください。

利木さん

仕事にやりがいなんてありません。まあ、それは誤解を招く言い方かもしれませんが…(笑)「やりがいがあるからやっている」っていう感じでは本当にないんですよね。マンガを読んでる時にやりがいがあるって感じますか?感じませんよね。ただ楽しいから読んでるだけで、そんな感覚です。自分が楽しいから勝手にやってるみたいな。ただあえて言うなら、例えば最初全然経理ができなかったお客さんが、頑張って、ちょっとずつ変わっていく…そんな変化を感じた時ですかね。

お客さんとは顧問契約をして長くお付き合いしていくことになることが多いのですが、初めて出会った頃と今とを比較して変化を感じる瞬間があります。

そんな時はなんか嬉しい気持ちになりますし、お客さんからもらったその嬉しい気持ちは自分の原動力に多分なっています。「お客さんが変わったこの数年で自分はどれだけ成長することが出来ただろうか」と考えると、それに恥ずかしくない価値を自分も提供していきたいなと思いますね。

2020年2月21日 SAKURA-S9にて